久しぶりの投稿です

ほとんど1年間・・・放置してしまいました。

2022年の6月からファイナンシャルプランナー技能士(FP)3級の受験に向けて勉強を始め、9月試験で3級を無事合格しました。そして引き続きFP2級の試験に向けて10月から勉強を始め、2023年1月の試験で学科試験のみ合格し、引き続き5月の試験でなんとか実技試験も合格となりやっとFP2級技能士を完全合格となりました。2021年の秋から簿記3級の試験を受け、2022年2023年の5月までコロナ過で世界中が大変な時に私は、深夜のコメダ珈琲で過去問を繰り返しやっていました。

いつかコロナが終息したとき、これまでのビジネスのあり方を変えるために、まずは今まで避けてきた税金や年金、保険や株、債券の基本をイチから学ぶことを決め勉強してきました。

そして2023年の春からは、コロナウィルスとの付き合い方を踏まえた新しい時代の始まりとなりました。資格試験の勉強と並行して、歯科医院さんの開院のお手伝いをしながら時代の転換期を意識しつつ、頭に入れたての知識をこれからどうやって生かそうかを考えながらブログを再開します。

さてここからが本題です。

まずは建築業界の現状はというと、ウクライナとロシアの紛争は今も続き、コロナウィルスによる世界経済への影響もあり2022年に引き続き建材の価格は上がり続けています。アメリカが利上げをしたことで日本は円安となり、輸入コストは上がり化石燃料による製品が多い建築業界も当然影響を受けています。そして世界経済と逆行する形で日本の金利は低いままです。日本では都心の高層マンションは年5%上昇し、地方との格差が益々広がっています。

最近よく聞くのは、工務店の倒産件数が去年を上回り今後も増え続けるという現実です。元請けとして多くの職人を取りまとめている工務店には様々な課題がリスクとして持ち上がっています。

①建築材料の止まらない値上げにより、契約時に決めた金額よりも高く資材購入すした差額を負担せざるを得ないリスク。

②コロナ過により資金の借り入れが2023年7月から返済が始まり余力のない工務店にとっては大きな負担となるリスク。

③2023年10月から始まる「インボイス制度」により職人の離職、引退などによる人材不足のリスク。

④2024年から社会保険制度の見直しにより小規模事業にかかる保険料負担のリスク。

これらがこれまで以上に工務店に重圧をかけつつあります。

現在、物価高に釣り合わない年収とのギャップもあり住宅の新築件数は減少しています。当然と言えば当然です、いくら低金利でも数年前よりも部屋数が少なく小さくなったマイホームの図面を見れば、一般消費者が「今買ってもいいのだろうか」と戸惑い、上がらない自分の年収とのギャップに萎えてしまうのも仕方ありません。

工務店はいまそんな消費者の要望に応えられないまま、値上がりするたびにゴミとなるメーカーの分厚いカタログを処分しながら、どうやって消費者の希望を叶えるかに骨身を削っています。

物件数が減り、職人が減り、資金繰りが悪くなる。こうなると大手メーカー以外は生き残ることが難くなります。簡単に言うと工務店は通常、仕入れた材料や職人たちの人件費に会社経費やメンテナンスのリスクなどを上乗せした費用で会社を運営する仕組みになっています。それなのにお客さんからは会社を運営するための経費が捻出できない、更に職人も集まらないので仕事を請け負えない・・・このままでは会社が存続できなくなる厳しい現状でコロナ過どころでなくなっています。

最近のyoutubeを観ていると建築関係のチャンネルからは「これからは人件費を上げていかないとだめだ」「職人たちの日当や給料を20%もしくは30%上げる以外に人材確保は無理だ」という声を多く聞きます。どの業界でも同じかもしれませんが、そうしない企業からは人材は逃げていくばかりというのが世間の認知することとなりつつあります。

愛知県で仕事をしている私が、ベースとしている人件費の目安は1日(朝8時半から夕方5時まで)2万3千円から2万5千円です。さらに交通費や駐車場代は別で請求が来ます。10年前なら2万円出せば人は集まりましたが、現在職人さんたちに支払っている金額は私がお客さんに請求する金額とほとんど差がありません。つまり人件費では利益は出ていないのが実情です。建築資材は半年ごとに20%づつ値上がりしているのに、人件費は10年で20%しか値上がりしていないのです。そして建築資材を供給する大手メーカーは互いに結束し価格を申し合わせて一斉に値上げをしてきました、でもそれを仕入れる個々の工務店は昔ながらの価格競争で自分の首を絞め続けています。ただ近々それも終わるかもしれません、そろそろ限界が来ているからです。

こんな話をここで書くと、このブログを読んでいる歯科医院の先生方は「いやいやもっと安いところがある」と思われるかもしれません。でも残念ながらこれは日本の建築業界全体が陥っている状況です、前に工事をしたときはそんなことはなかったとか、そんなに高いなら他を探すという考え方は、これから益々できなくなっていきます。

先ほど書いたように工務店の数が減少するとメンテナンスや工事そのものを受注できる業者は限定され、買い手(依頼主)が売り手(工務店)を選ぶ事は次第に難しくなりそうです。

なので残念ですが、安くて厳しい条件で建築工事を受注する業者はいずれいなくなります・・・。

そして適正な条件とそれを具体化できる適正な費用を用意できなければ、工務店は仕事を受注してくれなくなります。そうなると尚更、資金に余裕のある人以外の事業計画は厳しいものになっていきます。

ではどうしたら事業計画に適した価格の工事内容にできるのか?

決して安くはならない息も絶え絶えの工務店と、当たり前のやり方でしか提案ができない古い考え方の設計士・・・このチームと仕事をするのがすでに無理なのです・・・

方法は一つしかありません

消費者もリスクを負う事です、リスクの分散です

建築業界は材料や資材を仕入れ、それを加工し取り付ける職人によって成り立っています。この流れは日本中どこでも同じです。

昔、上海で資材買い付けをしていた頃、まだ今のように先進国を誇っていなかった中国で内装の施されていない分譲マンションを見に行ったことがありました。中国人の若い個人投資家はスケルトンのマンションの空間に私を連れていき「日本風のインテリアで内装を設計してほしい」と私に依頼をしてきました。中国のスケルトン物件は職人も材料も部屋の持ち主が自ら広大な面積の建材市場に行き、便器、ユニットバス、照明器具、合板やクロス、タイル1枚、釘の一本に至るまで用意し、路上でプラカードをぶら下げた職人に声をかけ、人を集め作業をさせるという、日本の建築のやり方とは別世界の究極の分離発注をやっていました。

考えてみれば当たり前のことです、仕事に必要な人と材料を用意しそれぞれに予算を渡し工事をしてもらう。それを日本では工務店が一手で担うのが一括請負です。なので先ほどの話、工務店は高騰する材料と減少する職人に挟まれ瀕死の状況にあります。

「この国が急速な開発ができるエネルギーは個々にある・・・」とその当時日本式しか知らなかった私は、このやり方が日本でもできないものかをぼんやりと考えてました。でも当時はその考え方は早すぎたのかもしれません。でも今は違います、今だからこそそれは可能だと思います。

個々のリスク負担を一点に集中せずに分散することは、面倒で手間がかかると思うかもしれません。

でも手間がかかる分のメリットがあれば、それは検討に値します。ただ売り上げだけを求める工務店では今後は生き残れないのです。目先の売り上げよりも全体の利益を優先できるか?そこが求められます。工務店一社だけ儲かる時代は、すでに終わっていると気が付いているか?そこが大事です。

今年の初め頃、滋賀県の歯科医院さんの工事の際に地元の工務店さんとの打ち合わせで私が分離発注で施工を依頼したいと話をした際には露骨に嫌な顔をされました。でも半年後の現在も同じ事が言えるのか、来年も同じことが言えるのか?聞いてみたいです。

(医療業界も同じことが言えます、中間マージンで成り立っていた企業はネットの低価格にたやすく負けますよ)

選ばれる工務店になるための努力をしている企業だけが、きっと来年も再来年も生き残ることができるのです。なのでこれからは新しい考え方が工務店にも、何より先生方にも必要です。

材料や資材は現在ネットやホームセンターから手配できるものが沢山あり、今仕事をしている職人たちも毎朝のようにホームセンターで一般消費者と同じ価格で建材を仕入れています。20年前は建築材料は木材は材木業者から、照明器具は電材業者から、トイレの便器は設備材料業者からしか購入できなったものです。それが今ではネットで買う便器がどこよりも安く買えることを設備材料業者が教えてくれます。エアコンは家電量販店の量産ラインで作った同じ能力のエアコンが一番安く変えることを空調業者が教えてくれます。みんな薄々は感じているのです、面倒でも自分ができることは自分でしたほうがいいことを・・・

必要なのは、知ろうとする気持ちとそのストレートな気持ちを受け止めてくれる同じエネルギーを持った業者や職人です。

設計士も同じです、これまでの建築のやり方だけをアドバイスしている設計士からは仕事がなくなっていきます。お客さんにも、施工業者にも、それぞれのメリットとデメリットを中立の立場から提案ができなければ、どんなに過去の実績があってもそれは滅びていく恐竜と同じなのです。滅びていくのがわかっているのに、まだ昔のやり方にこだわるのでしょうか?それにお客さんたちを巻き込んではだめだと思います。

数十年前インターネットが世界を変えました、そして2022年AIが世界を変える大改革が始まっています。新しい何かを探し続けるしか設計士にも工務店にも、職人にも未来はありません。そのためのチーム作りが大切です。これから巡り合う歯科医院にとって何がベストなのか、一緒に考えるチーム作り。私もそこで必要とされるよう努力し続けます。

昔よりも今であり、今は未来を見据えた準備と根回し、それが私がこれから提案していきたい新しい歯科医院です。

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