歯科医院でのIKEA家具以外のオーダー家具って?    費用の話その2

費用について

さて今回は歯科医院でのオーダー家具の話です

前にも一度、費用にまつわる話をしました。今回は「その2」となります。

完成まじかの個室家具

「費用の話はややこしいし・・・安いに越したことは無いので、まあお任せでいいです」

と前回の説明を理解するのをあきらめた先生方、今回は前回の補足でもありますが前回の内容を深堀したものにもなっています。あまり長くならないようにしますのでさらっと読んでみてください。

前にもお話した通り、家具工事は合計すると大きな金額になります。建築工事の中でもクロス工事や建具工事よりもかなり大きい金額となります。なのでこの工事項目を抑えることができれば他の減額案よりも費用対効果が大きくなると言えます。また家具工事は仕上げ工事でもあり、隠れてしまう壁の内側や床下とは違い直接、患者さんやスタッフさんに影響する部分になります。

なので最も適正な価格で最も適正な内容に仕上げなければなりません。

「そんな事は誰だってわかっているけど、どうしたらいいかわからない!!」という声が聞こえてきそうですね。

そこで「分離発注」や「IKEAキッチンを使う」という究極の選択をお勧めしてきました。

この二つに共通して言える大事なことは、設計や工務店に任せきりにせず先生自身が少しでもコントロールできる状況をつくることにあります。

分離発注」で中間マージンを最適化する事

IKEAキッチンを使う」事で、適正価格で必要な物量の家具を購入する

このふたつを先生方が理解していただければ、やみくもに「安くしてほしい」と工務店に詰め寄るようなことはしなくてもよくなります。そして工事費を安くするために必要なものまであきらめるようなことはしなくても済みます。その努力は先生方にとってもっともコスパのいい努力につながるはずです。

さて前回の費用の話しでは「2つの仕入れ」について書きました。

2つの仕入」とは

a オーダー家具 既製品では対応できないサイズや内容をワンオフで作る家具

b 既製品家具 IKEAやLIXIL TOTOなどのモジュールキッチン家具(システムキッチン)や衛生機器メーカーの洗面家具などやニトリなどの量産型の組み立て家

今回はaの「オーダー家具」について書きます。

受付カウンターはオーダー家具

bの既製品家具については「IKEAキッチン」1択をお勧めしています。それは中間マージンがなくワンプライスだからです。そして追加部材が誰でも購入出来て、組立て取付のコストも都度必要な分だけで済むため無駄な経費が将来に渡って削減できます。さらに家具の移動や変更が容易なので、事業規模の拡張や変更も容易です。何よりほかの既製品メーカーのような代理店や販売店からしか購入できない家具とはまったく条件が違っています。

なのでbについては今回は触れません。それはまた別の記事でさらに詳しく利点を追求していきます。

そこでaについてです

オーダー家具」とは?私がこの業界で歯科医院に携わり始めた11年前はフルオーダーで家具を作ることが当たり前でした。何より建築業界で家具工事はクロスやタイルなどの他の工事と違い、面積で単価を出したりおおよその相場のようなものが無いに等しい工事項目でした。なので単価が決まっている項目には決まった金額しか入れられませんが、家具工事については「1台25万4千円」といった具合で、たった1行の項目でも高単価のゴールデンゾーンを作ることができます。なので建築業界ではこの項目に多くの利益を乗せ、他では出せない単価調整をしてきました。また競争入札でほかの工事項目よりも家具工事で業者間の差が大きく出たりします。

よくある話としては、歯科ディーラーが親切に先生方に業者を紹介してくれますが家具工事を強く推してくる場合、そこにバックマージンが隠れていることがあります。私も今まで何度もそれを要求されてきました。ある時は商品券、ある時は領収書無しの現金・・・でもそれはすべて先生たちが大切にしている運転資金の一部から出ています。工務店が工事を請け負い長期的にリスクを負うのに必要な経費として上乗せするのは資本主義経済では当たり前のことです。でも「裏」のお金はやはり「」と私は思っています。

引渡し前の受付カウンター

そういった事にならないように「分離発注」で中間マージンの最適化とリスクの分散をお勧めしているのです。

さてオーダー家具についてです。歯科医院ではIKEAやほかの既製品メーカーでは対応できない備品や家具があります。

歯科医院でオーダー家具で対応するのはこんな感じです

①受付カウンター

②IKEAの家具では対応できない高さにしたいときの台座部分

③IKEAの家具では対応できない幅にしたいときの側面パネル

④IKEAの家具では対応できない色にしたいときの天板、扉、サイズが大きいミラーパネルなど

ざっくりこのくらいでしょうか

「これだけ?」

「はいこれだけです!」

この写真のかんた君以外、すべてIKEAキッチンです

あとは全部IKEAとAMAZONと楽天市場とYAHOOSHOPで対応できます!

①の受付カウンターは既製品での対応はほぼ不可能だと思います。場合によっては既製品のオフィスデスクを改造して代用できるかもしれませんが耐久性と利便性を考えるとベストとは言えません。何より受付カウンターは患者さんと医院とをつなぐ大切な窓口です。そして医院に訪れた患者さんが最初と最後に必ず立ち寄る場所になります。レストランのコース料理で言うと1皿目の前菜と最後のデザートの皿と同じくらい大切です(この二皿に力を入れているシェフのお店はリピーターが多いと言います)物語でいいうと「起承転結」の「起」と「結」の部分です。

医院の顔となる受付カウンター、これはIKEAでもなかなか対応が難しいのではないでしょうか。つまりこのくらい重要で大切な部分だけは高くてもオーダー家具を使う必要があるという事です、というかまともにオーダー家具で必要なのはこれだけという事です。

②③④はIKEAの寸法で足りない部分を補うための補足部材でしかありません。補足部材だけオーダーすればあとはほぼIKEAとその他既製品で間に合うという事です。

医療の家具は専用メーカーじゃないとだめ!

とか歯科医院のために考えて作られたユニット家具とかシンクの深さが絶妙だとか、きっと20年前ならそれが普通だったのでしょう。でも今は建築業界も大きく変わっています。木製建具は既製品で大工さんが取り付けできるユニットが主流となり、建具の枠を塗装屋さんが塗装したり大工さんがカンナをかけて手触りまで確認したりしなくなりました。それはそれでさみしいところではありますが、仕上げの安定感と熟練職人の高齢化や減少を天秤にかければ、現在は前者を選ぶのが正しい選択となっています。

なので建築業界全体を見渡しても「IKEA家具」>「オーダー家具」となるのは仕方ないことです。

このようなに、このブログでは適正な価格と適正な内容を両立するには何を見て何を選べばいいのかをこれからも書いていきます。歯科医院でIKEAの家具を全面的に取り入れている医院は私が今まで手掛けてきた医院さん以外はほとんど見たことがありません。または私が手掛けた医院を見て真似てやってみたという医院さんもあるようですが、オーダー家具に匹敵するほど使いこなしているとは思えません。

この家具も洗面器とミラーパネル以外はIKEAキッチンです

それはなぜか?

歯科医院の家具は医院ごとにすべて違う「ベスト」があるからです。ベストを目指すには先生やスタッフさんとの打ち合わせがすべてに通じる「マスターキー」となります。打ち合わせを簡略化し設計の思い込みだけで現場をすすめればオーダー家具のショールームが出来上がります。オーダー家具のショールームで働くスタッフさんは3か月後に「もっと使いやすくしてほしかった・・・」と小声でささやきます。

そうならないために

手間がかかるほうが正解」とお考え下さい。IKEAの家具は打ち合わせも発注も手間がかかります。でもその手間は価格に反比例します。そして医院の運営が軌道に乗り5年後10年後にその効果は増していきます。

この家具もすべてIKEAキッチンで対応

このブログではその「手間のかかるほう」のテクニックをこれからも解説していきます

そして、きっといつかお役に立てると信じています。

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