今回はIKEAキッチン施工後のよくある問い合わせについて書きたいと思います。
前編後編の2回で書きます!!
1 予定していた使い方とは違った使い方に変えたい
2 設置してしばらくすると収納内容が変わり、引き出しの高さが合わなくなる
3 シンク回りが汚い、水栓器具の周りがいつも濡れていて不衛生
4 収納が沢山あったほうがいいと思い、沢山設置したのだが使わないところがある
5 キャビネットの下にある巾木が外れる
1 予定していた使い方とは違った・・・使い方に変えたい
通常、歯科医院でIKEAキッチンを利用したいとお話しを伺い、打ち合わせを重ねます。その際に打ち合わせた内容と、実際に使い始めてからの使い勝手の違いによる問題をお聞きすることがあります。当初の計画と実際に設置したときにもっと左にとか、別の機器の横に移動といった話はよくお聞きします。最初は広い作業スペースも、患者さんが増えて作業の頻度も増すと作業補助にもなるような新しい機器を設置することになります。その際にはキャビネット下に配置されたゴミ箱の位置が遠くなったり、コンセントが不足したりします。IKEAキッチンは天板と天板下のキャビネットは1体の家具ではありません、天板とキャビネットの2つの家具の組合わせで出来ています。なので天板とキャビネットを固定しているビスを外せばキャビネットの移動ができます。また外したキャビネットの後には電源コードなどを通せるスペースがあります。なので機器の移動に合わせてキャビネットも移動したり入れ替えたりすれば、合わせてコンセントの移動のための配線もある程度隠すことができます。よく見るのは延長コードが作業台の上に沢山乗せてある光景ですが、水を使ったりする場所では漏電の恐れがあるため、できるだけ作業台の下に配線を隠すか壁付けコンセントの増設も考えて移動してください。
2 設置してしばらくすると収納内容が変わり、引き出しの高さが合わなくなる
インショウトレイの種類が増えて、入れてあった引き出しの寸法が合わなくなったり。石こうの予備ケースを天板下置くためにスペースを確保したり、あと5センチ高さがあれば箱が入るのにといった場合には、引き出しユニットの移動ができます。引き出しユニットは、引き出しを支える左右スライドレールに乗せて使います。なので引き出しを取り外し、左右のスライドレールを移動すれば高さや位置を変えることができます。気を付けなければならないのは事前に同じ幅の引き出しでも奥行きが2種類(40センチタイプと60センチタイプ)あるため取付したいキャビネットの奥行きを事前確認することです。ちなみに奥行き40センチのキャビネットに奥行き60センチ用の引き出しは取付できませんが、奥行き60センチのキャビネットには60センチと40センチの両方の引き出しを設置することが可能です。
3 シンク回りが汚い、水栓器具の周りがいつも濡れていて不衛生
新築当時は初期投資の予算が厳しかったことから、自動水栓やフットスイッチの設置ができなかった場合によくある問題です。どうしても蛇口や水栓器具のハンドル周りはベタベタになります。そこに雑巾を置いて水気を受けたり、ベタベタのまま放置することで天板が変色し、またはそこから漏水した水が天板の裏に回りカビの原因になったりします。本来は蛇口の口からしか水は出ていないのですが、ハンドルを都度操作することでそこに常に水気があります。さらにそのあたりには洗剤や掃除道具が点在し、見た目にも整理がつきにくく不衛生になっていきます。使用する前はきれいだったのに・・・という話をお聞きしますが、でも使用してからが本来の様子です。そんな場合の解決策は水栓器具をセンサータイプに変える、または今の水栓器具のままでフットスイッチを取り付けるなどして、ハンドルに触らないで水道のオンオフを切り替えるのが最適です。ただしセンサータイプもフットスイッチもどちらにもコンセントが必要になります。センサータイプはアマゾンで中国製の電池式のものが安価で売られていますが、洗面所などでしたらそれでも対応できますが消毒スペースや作業スペースでは電池式の水栓はお勧めしません。それは水量の調整ができないものが多い事と、長期的に業務用で使用するにはリスクが高いと考えるからです。そもそも昨今のSDGs問題で乾電池の使用は減りつつあり、充電式電池にも耐久性には不安があります。まして作業スペースのシンク下は、石こうトラップや掃除道具、給排水の配管など狭い収納スペースにびっしりと物が入っていることが多い場所です。こまめに電池をチェックするのは厳しい環境だと思います。でも国産メーカーのセンサータイプの水栓器具は高価なものがほとんどです。なので私がお勧めするのは一般的な水栓器具(シャワーホース付き、ハンドルタイプのシャワー切り替え付)に、フットスイッチをプラスするやり方です。この組み合わせだと水栓器具がおおよそ17000円くらい+フットスイッチ18000円くらい(いずれもネット通販で購入可能です)金額は前後しますが定価ベースだと合計7万以上のものがネット購入なら定価の50%以下になります。センサータイプは高額のものだと定価19万、簡単なものでも9万位します。それを工務店、水道屋さん、代理店がそれぞれマージンを取ると定価の70%から80%程度が相場価格になります。また水栓金具とフットスイッチの組み合わせなら、数年してどちらかが壊れたとしてもどちらかはそのまま使えるためセンサータイプよりもリスクが小さく済みます。設置はどちらも配管に電磁弁を取付してコンセントを指すだけです。器具がネット購入できたら取付工事は職人さんの手間賃だけでお願いすればマージンもかかりません。これはお勧めです。
よく利用するフットスイッチ
◇[TES35R]TOTO (AC100Vタイプ) フットスイッチユニット(旧品番:TES35) :tes35:設備プラザ – 通販 – Yahoo!ショッピング
よく利用する水栓器具
4 収納が沢山あったほうがいいと思い、沢山設置したのだが使わないところがある
開院または改装後、数か月して点検に伺った際に収納の中を見せてもらうと、使っていない引き出しや、空っぽの収納スペースがあります。特にスタッフさんが手の届かない上部やしゃがまないと手が届かないキャビネットの下のほうの引き出しや、扉のある収納スペースなどが多いのではないでしょうか。数か月ではまだ結論は出せませんが、それが1年、3年と使われていないようならレイアウトの変更を考える必要があります。準備スペースや消毒滅菌スペースにはスタッフさんの作業効率を優先した収納が必要です。ただものがたくさん入ればいいというものではありません。開院後、数年してどこの医院さんでも収納不足の話をお聞きしますが、作業導線の重要な部分に不必要な在庫が詰め込まれていたり、何年も使っていない器具や材料が配置されていたりします。それはスタッフさんが入れ替わったり、在庫管理の担当さんがさん産休に入ったりなど諸事情にも大きく影響を受けます。先生方はスタッフさんの要望で在庫スペースの増設を相談されるのですが、まずは医院の導線確認と新たに増えた機器のレイアウトによる配置移動を検討し、引き出しなら取り外して移動するか、棚収納なら棚板の増設で隙間にも物が入るように高さ調整後、市販のトレイなどを引き出し代わりにして在庫管理するのもありかと思います。
5 キャビネットの下にある巾木が外れる
IKEAキッチンのキャビネットの下には巾木スペースがあります。サイズは8センチと3センチです。どちらもその部分には不陸調整のアジャスターがついています。IKEAの8センチの巾木はキャビネットから少し奥の方に取り付けしてあるため、つま先が当たることもなく使いやすいです。でもコーナーなどはキャスターなどで引っ掛けたりつま先で蹴ったりすると外れます。簡単に元に戻せますが、取れないように角コーナーにイケアの部品以外で補強をしたりできます。この8センチには空間には設備やエアーの配管、配線などができます。なので巾木を取り外して後から作業をすることもできる便利な゜空間でもあります。ただ作業の流れからどうしても外れてしまう場合は、固定もできますのでご心配なく。
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