歯科医院でIKEAキッチンの「品質保証25年」は必要なのか?

DIYとメンテナンス

IKEAキッチンの商品カタログには品質保証25年という、とんでもなく長い品質保証がついています。ただしこれは「なにかあったら25年間、すべて責任は取ります!」という事ではないです。

IKEAキッチンのカタログ内の品質保証のページにはこう書かれています

「不適切な使用、許容範囲を超えた過度の負担のかかる使用、本来の目的とは異なる使用、改造などがされた場合はこの保証は受けられません」とのことです

歯科医院の収納家具としてIKEAキッチンを使う場合は、果たしてどうなのか?

本来の目的以外でも利用できるのがIKEAキッチンの長所でもあります。

例えばキャビネットの高さを加工して、洗面台として利用したら品質保証の対象外となります。ですが高さを低くし使いやすい洗面台として歯科医院で利用した場合、どんなデメリットがあるのでしょうか?

幅が80センチ高さが80センチ奥行が60センチのベースキャビネット 定価8500円税込みhttps://www.ikea.com/jp/ja/p/metod-base-cabinet-frame-70273049/

これに天板と巾木、アジャスター、扉の部材を購入すれば洗面台の箱の材料がそろいます

合計すると約19000円ほどです。ここから衛生機器の洗面器の高さに合わせて、家具の高さを加工して使いやすい洗面台ができたら・・・組み立て費用は大工さんの加工費と組み立て費がかかりますが他のメーカーの既製品家具と比べた場合の価格は1/2か1/3くらいではないでしょうか

そもそもキッチンの家具とは、水廻りで使うための耐久性があり皿やナベなど重量のあるものから、ナイフやフォーク、ティースプーンのような小さなものまでまとめて収納するための家具のことです。

なので洗面台として使うのは間違っていないですよね。同じ水廻りで同じように収納力があるのだから

では25年保証が必要なのか?24年後に丁番で不具合が起きたとしたら?

丁番を買い替えればいいのではないでしょうか、丁番は1セット1000円です。https://www.ikea.com/jp/ja/p/utrusta-hinge-w-b-in-damper-for-kitchen-10401785/

(もちろんイケアの商品にメーカーとしての不具合が出ればそれは保証対象になります)

医療施設の収納家具として経理上の減価償却をした場合、10年で償却が終わります。その後も使い続けてリフォームや新規事業にむけての新たな計画になれば、償却の済んでいる収納家具の品質保証がどれぼど重要なのかを考えてもいいのではないでしょうか。

そもそも初期投資を抑えるために、必要な部分に大きな投資をするために、制限のある融資のなかでよりコスパのいい資金投入を考えるために、いらないものは何でしょうか?

他の記事でも何度か触れていますが、代理店や無駄な中間マージンにまみれたも、汎用性がない限定されたどこにでもあるもの、施工側の都合にだけ合わせた経費のかかる材料・・・ほかにもまだありますよね。

要らないものを極力削るために、イケアの家具を加工してオーダー家具に等しい使い勝手に変えられたら、デメリットよりメリットのほうが大きくなるとは思いませんか?

25年保証の対象外になったとしてもそれ以上のメリットがあれば選択の可能性は大きくなるはず。それも世界中で使われている量産家具の品質メリットを利用するのですから、明らかにメリットのほうが大きいはずです。

言い換えると25年の通常利用(家庭のキッチンなど)ではよほどのことではクレームがないと太鼓判を押された製品を、一部だけ二次加工するだけのことなのです。それも世界中で使われリサーチされた商品です、不良部分があれば社会問題になります。

とまあ、大げさに言うまでもなく大事なのは

デメリット以上のメリットを事業主が理解すれば、イケアの家具を利用することは事業を成功させるために欠かせないアイテムとなります。

それも柱や屋根のような取り換えのきかない建築の構造体ではなく、取り換えや追加、変更が容易な汎用性の高い収納家具部分だけです。リスクを承知で採り入れる価値は想像以上に高いと言えます。

そもそも保証という言葉はイコール、見えない経費に他なりません。それは工事後に不必要かもしれない補償の代金を先払いすることです。

目に見えない未来の不安のために大事な資金を使うのは誰のためなのでしょうか?今まで10年間、イケアの家具を利用し歯科医院を作ってきた私にはよくわかりません。10年間、品質保証を問われたことは無いばかりか、事業の成功からリピーターとなってリノベや増築、新築をした医院が何件もあるのはどうしてでしょうか?

私がお世話になった先生方には、イケアの家具のリスク説明を必ずしています。

先生方もそのことを理解し。、医院の設計やデザインを一緒に考えるチームの一員として加えてくれます。

設計士にしても工務店にしても、工事完了後に1年点検くらいまではある程度の対応をしてくれますが以後の医院に顔を出すのは皆無ではないでしょうか?イケアの家具は固定してありますが、ビスを外せば移動も変更も可能です。医院の事業計画がうまくいけば、初期段階で不足していた医療機器や在庫、カルテ棚、模型棚が増えます。またチェアが増えればスタッフさんも増えロッカーや収納も増えます、何より患者さんも増えますから待合の椅子や消耗品の消費もふえます。

イケアの家具をチョイスしたという事は、事業の拡張も意識した投資を考えている歯科医院だということです。投資とは必ずこうなるというものではないですが、目標とするものに向かって細部の根回ができている事業主は成功への近道をチョイスしているのと同じではないでしょうか。

ついでに・・・19000円の家具ではなくそれ以外のオーダー家具で作ったら25年後に品質保証はあるのでしょうか?そもそも家具を作った工務店が存続しているのか、家具を製作したメーカーにたどり着けるのか・・・私が25年前にお付き合いのあった家具屋さんは今は1件も残っていません。

遠い未来の心配よりも、3年後や5年後に新しい展開に心を躍らせることのできる歯科医院こそが、大切な体の一部をあずける患者さんにとっても、信頼と安心を感じられる医院ではないでしょうか?

私ならそんな歯科に通いたいです。

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